「異動できたとして、その後うまくやっていけるんだろうか」
営業から経理への異動を考えている方の中には、こんな不安もあると思います。この記事では、筆者が実際に異動した直後に経験した、ある出来事を紹介します。
異動初日は、決算期の慌ただしい4月だった
筆者が経理に異動したのは4月、ちょうど会社の決算で現場が慌ただしい時期でした。新卒2年目で、できることはほとんどなく、周囲の役に立てていない申し訳なさでいっぱいだったのを覚えています。
そんな中、ある部門で不良在庫を大きく抱えてしまい、損失を計上するために過去の帳簿をひたすら洗い出すという、イレギュラーな仕事が発生しました。
単純作業が、最初の「ありがとう」になった
仕事の内容自体は難しいものではありませんでした。過去の古い帳簿を引っ張り出して印刷し、監査に備えて準備する、というひたすらの単純作業です。決算期で誰もが手一杯の中、他の人のリソースが割けないこの仕事が、新卒2年目の筆者に回ってきました。
ひたすら印刷を繰り返す中、不良在庫を発生させてしまった部門長から、こんな言葉をかけられました。
「ほんま誰にもこの仕事頼めなかったから助かったわ、ありがとう。」
これが、会社に入って初めて仕事で評価をしてもらえた瞬間でした。営業時代は否定されることばかりで、毎日精神的に疲弊していたので、このひと言が本当に嬉しかったのを今でも覚えています。その部門長の顔も、はっきり覚えています。

今振り返れば、部門長も会社で損失を出していろいろな方から詰められ、協力者がいない中、若手の自分が味方になってくれて少し安心した、という程度のことだったと思います。それでも当時の自分には、存在を承認してもらえたような気持ちになりました。
信頼関係は、その後の仕事を大きく変えた
この一件のあと、その部門長と話す機会が何度もありました。決算資料の提出依頼や、質問への回答といったやり取りの場面で、すでに信頼関係ができている状態で仕事をする心地よさを感じることができました。
営業部門で人間関係に悩んでいた頃とは、まったく違う精神状態で仕事に取り組めるようになりました。地道な単純作業がきっかけで生まれた信頼が、その後の仕事のしやすさに直結したのです。
このエピソードが、その後のキャリアの原点になった
今振り返ると、簿記の勉強に前向きに取り組めたのも、転職という前向きなキャリアを描けるようになったのも、すべてはこの経験がきっかけでした。誰かに必要とされた経験が、その後の仕事への向き合い方を変えてくれたのだと思います。
あの部門長には、今でも感謝しています。
営業に向いていないと感じている方へ
営業から経理への異動を考えている方の多くは、「自分は営業に向いていないのではないか」と悩んでいるかもしれません。
しかし、人にはそれぞれ活躍できる場所が必ずあります。まだ見つかっていないだけで、経理への道が開ければ、それが見つかる可能性は十分にあると、筆者自身の経験から感じています。

異動後、最初から大きな成果を求められることはほとんどありません。地道な仕事の積み重ねが、思わぬところで信頼につながることもあります。
まとめ
- 異動直後は、できることが少なくても焦らなくていい
- 地道な仕事の積み重ねが、思わぬ信頼関係につながることがある
- 信頼関係ができると、その後の仕事は格段にやりやすくなる
- 営業に向いていないと感じても、別の場所で適性が見つかることがある
営業から経理への道のりは、人によってさまざまです。この記事が、これから異動を考えている方、すでに異動して奮闘している方の、少しでも力になれば嬉しいです。
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