人気のホワイト企業。でも実際に入社してみると、外から見えない悩みが出てくるものですよね。
私自身、苦労してホワイト企業に入社して「これで人生安泰かも!」と思ったのですが、人間関係に悩み会社を辞める経験をしました。
ホワイト企業を辞めたいと思っている人は、「待遇がいい会社を辞めるのはもったいないし、踏ん切りがつかない」という方も多いと思います。そんな方に向けて、実際に経験して困った点、良かった点をお話します。
ホワイト企業を辞めた私が、その後どうやって生計を立てていったかについてもご紹介します。
ホワイト企業を辞めたいと思ったきっかけ
私がホワイト企業を辞めたきっかけは、「人間関係」でした。具体的には直属の上司と合わず、軽いいじめを受けているような状況で会社を辞めました。
ホワイト企業にお勤めで悩みを持つ人は、「この悩みは自分だけ?贅沢な悩み?」と不安に思うことがあると思います。
実際にホワイト企業を辞めた立場からすると、ホワイト企業での人間関係の悩みは結構あることで、人間関係はガチャ的な要素が大きいと感じています。あなたと同じ悩みを持つ人は多くいると思います。私自身もそうでした。
上司と人間関係がうまくいかず退職した
少し具体的に、私の話をします。
私は経理課に所属しており、上司は古株の経理課長でした。
経理課長は若干くせがあり、こだわりが強くコミュ力が低めの50歳くらいのおじさんでした。社内の基幹システムをこの経理課長が開発・運用していたのですが、属人的なシステム運用から脱却すべく、新基幹システムのプロジェクトが発足しました。
私はこのプロジェクトの中心メンバーに選ばれ仕事をしていたのですが、経理課長が新しいシステムに納得がいかないようで、仕事の邪魔をされとても苦労をしました。
会社で決めた方針に従ってくれず、邪魔をしてくる上司との人間関係にとても悩んでいました。
ホワイト企業の悪いところ
ホワイト企業は、離職率が低く会社のメンバーの流動性がとても低いように思います。
特に経理課では、他部門との人事異動も少なく固定化されたメンバーで日々の仕事をするため、その傾向が顕著だと思います。
そこでの人間関係が悪かったら、かなり生活の質が下がってしまいます。
人間関係ゲーに大きく依存するのは、ホワイト企業の悪いところだと思います。
ホワイト企業は挑戦をしない
会社のシステムを新しくするために、いままでの業務フロー見直しだったり、ベテランメンバーへの働きかけを経験しました。
そこで、多くの社員が「できない理由」ばかりを、声高に主張してきました。
私は、会社で決めたプロジェクトなのに、誰も協力してくれる人はいないんだ。と多くの社員に対して失望しました。会社のミッションでは挑戦とか聞こえのいいことを言いながら、自分たちはまったく挑戦しない。
挑戦しているポーズを、会社に対して見せているだけ。定年まで大きなミスなく逃げ切りたい。という本心が透けて見える社員ばかりでした。
ホワイト企業では減点主義で人を見る
苦労する環境でしたが、悩みを抱えつつも1年以上はプロジェクトに取り組んできました。
そんなある日、新システムに移管した支払先のマスタ情報に不備があり、誤った支払い先にお金を払ってしまう問題が発生しました。
これは、完全に私のマスタ作成の過程でのミスが原因であり、上司に謝罪し再発防止作を提案しました。
私がミスをした話はすぐに社内に広まりました。
システム変えて「ほんとうに大丈夫なの?」ベテラン社員達から、プロジェクトを疑問視する声が多く聞こえるようになりました。
声が大きくなるに連れて、私の社内の居場所はなくなっていく感じがしました。
「本当に自分はこの会社に必要な人間なのか?」自問自答しながら、会社を辞めたい思いが日増しに強くなっていきました。
会社の奴隷である必要はない
人間関係にストレスを抱えながらプロジェクトを進めているある日、部長まで含めた話合いが持たれました。
議題は「新システムのプロジェクトのリスケ」について、結果としてプロジェクトはいったん停止することになりました。
私としてはいままでの自分の仕事をすべて否定された気持ちになりました。
また、部長を含めて本気でプロジェクトを進めようと思っていた人間はいなかったんだと悟りました。プロジェクトの責任者は部長だったので、結局部長も責任逃れをしたいだけで、本気で改革をする気はないと確信しました。
こんな会社にいる意味はないし、人生の無駄。そう感じて退職を決意しました。
プロジェクトを放り出すのは無責任という考え方もできますが、すべては会社の意思決定により私が実行していただけの話。プロジェクトは会社が進めるべき話で、自分は会社の奴隷でありません。自分には会社を選ぶ権利があります。
実際に退職して困ったこと
ホワイト企業を辞めて困るのはやはり第一にお金関係です。
福利厚生が良く、労働時間が短いのがホワイト企業の唯一の魅力だと思っています。
家賃が自己負担になった:借り上げ社宅制度を利用できなくなった
借り上げ社宅制度を利用して、会社に家賃の一部を支払ってもらっていました。そのため、退職により大家さんと自分の直接契約に変更する必要がありました。
退職時点で、次の仕事を決めていなかったため無職だっため、大家から家賃の保証会社を利用してくれとお願いされました。
そのため、毎月の負担として、家賃の自己負担分と、振込手数料分が増えました。
その後、退職をしてひとり暮らしをする理由はなくなったので、私は実家に戻ることにしました。どうせお金を払うんだったら、知らない大家にお金を払うよりも世話になった親にお金を渡すほうが気持ちがいいですからね。
賞与をもらえずに退職してしまった
この会社から少しでも早く退職したい。強く思っていたため、賞与をもらえる在籍期間より2週間早く退職してしまいました。少しでも我慢する余裕があるのであれば、賞与をもらって辞めたほうが良いと思います。
無職になる手続き
会社員を辞めて無職になることが初めてだったのですが、いまはネット上に情報もたくさんあるし不安はありませんでした。
無職になれば時間があるので、平日に国民健康保険、国民年金への切り替え手続きを行いに行き、スムーズに手続きできました
結婚するという目標はいったん捨てた
ホワイト企業に入れたので結婚もいずれするんだろうと思っていました。しかし、正直、自分には本気で結婚をしようという気持ちは芽生えていないのもあって、無職になると同時に結婚の選択肢は捨てました。
正直な気持ち、まだまだ自由を謳歌したいし、結婚のために他の大きな我慢を強いられるのは納得できない性格です。
自分は結婚は不要と考えていますが、しっかり家庭を持ちたいという人には、僕の体験談は参考にならないかもしれません。
退職して次の仕事はみつかる?
ホワイト企業で職歴経験があれば、再就職や転職は問題なくできます。
なぜなら、基本的なビジネスマナーや社会人としての基本がありますし、どこの企業も人材不足ですから転職エージェントに無料相談をすれば希望する条件の職場を紹介してくれます。
退職して良かったと思えること
空の青さを感じることができた
正直、何をいっているのかと言われそうなんですが、一番はこれでした。
普段、平日の日中は会社にいるので、外にであることはありません。平日の昼に街を歩くと、年配の方や子育て世帯が多くすごく平和な日常が流れていることに気づけました。空が澄んでいて、生きてるって素晴らしいと思うことができたんです。
そんな心の余裕を手にすることができたのは、無職という圧倒的な自由を体験できたからです。
煩わしい人間関係から開放されるだけでこんなに幸せなんだ。
自分はこれからも無駄な人間関係のストレスだけないように生きていきたいと気付きを得られました。
失業保険をもらえる
無職になると次の職探しをするためにハローワークにいけば失業保険がもらえます。私の場合は月に17万円くらいもらえました。
就職活動をしながらお金がもらえるので、比較的時間に余裕がある生活を送ることができます。
退職金がもらえる
ホワイト企業であれば退職金制度があると思います、ボーナスはもらえなかった自分でも退職金は70万円くらいもらえました。
一時的に手持ちのお金が増えたので、お金の心配をすることなく就職まで食いつなぐことができました。
貯金である程度食いつなげる
ホワイト企業では、福利厚生もあったりで手取り金額は良いです。
そのため、働いていた2年間でけっこう貯金を増やせました。退職金や貯金を使って、生活費をまかない、スキルアップのための勉強をして無職の期間は有意義に過ごせました。
学びの時間が増えた
会社員時代は、1日8時間会社に固定で拘束されます。それがなくなるので、趣味や投資に使える可処分時間が大きく増えました。
もともとホワイト企業で労働時間は短めだったので、投資の勉強はしていたのですが、より時間を使えるようになり良い結果につながりました。
広い視野で人生を考えることができた
自分の人生を豊かな納得いくものにするために、いろいろ自問自答しました。
- そもそも結婚って必要?
- なんのために働いてるんだっけ?
- 都会で働く意味ある?
自分が心地よい人生を歩む上で、排除したいもの。煩わしい人間関係、満員電車での通勤は絶対に排除したいと結論が出ました。
その結果、実家に帰ってバイトと投資で生活をするいまのスタイルに行き着きました。
ホワイト企業退社後の生計の立て方
家について
退職前は、総武線快速に乗って都心に通勤していましたがなくなったので、実家に戻りました。
実家に戻って家賃、光熱費、食費込で親に7万円を月に渡しています。親も年金暮らしなので、生活の足しになりよろこんでいます。
自分も、ストレスの多い都会よりもゆったり生活できる郊外での生活に満足しています。
ひとり暮らしであれば、家賃、光熱費、食費で12万は必要なのではないでしょうか。5万円は節約できていると思います。
収入や仕事について
失業保険をもらって無職期間を過ごした後、小さな会社に経理(月給20万)として就職しました。と同時に、WEBライターの副業(月5万)を始めて2年ほど業務委託契約で働きました。経理への就職では、簿記2級の資格が役にたちました。
経理の仕事はリモートワークで、たまに都内に出社する程度でした。満員電車のストレスがない職場を選びました。
ほどなく経理は辞め、WEBライターと投資で収入を得るようになります。
仕事中ずっと在宅なので、運動不足を感じWEBライターの仕事はやめ、いまはアルバイト(月5万くらい)と投資で生計を立ています。
収入はホワイト企業のころより多くはありませんが、自由に生きられているのと、投資の伸びしろがあるので、ワンチャンホワイト企業時代よりも収入が大きくなる可能性もあります。
いまは、収入アップに向けて投資の勉強の時間を増やしています。
税金面について
ホワイト企業を辞めて無職になった翌年は、健康保険や住民税が高く感じました。
しかし、貯金をしていれば支払いに問題はありませんし、無職の翌年は取得税や健康保険もべっくりするほど安くなります。国民年金は、失業という事由があれば免除になります。
それほど収入が高くなくても生活できる水準で暮らすことは、賢い選択だと思います。
思えば、都心で働いていた頃は、人間関係でためたストレスを発散するために、お金を使っていたような気がします。そのストレスがそもそもない生き方をしていれば、無駄にお金を使う必要がないことに気づくことができました。
ホワイト企業での人間関係は死活問題
ホワイト企業を辞める決断は、最初金銭面でのデメリットが大きく感じますが、以外と辞めてみるとなんとかなるもんです。
保守的で人間関係が狭いホワイト企業では、人間関係のストレスは死活問題です。是非、あなたの人生にとってプラスの選択ができる参考になれば幸いです。