
管理会計をやっているけど、市場価値を高めたい。
経理ならば誰しもが抱く悩みではないでしょうか?
管理会計は会社の意思決定に必要で重要な仕事です。しかし、若手に任される仕事といえばエクセルへの打ち込みや、資料の整理といった地味な仕事が多め。
このまま仕事をしていて市場価値が高いスキルが身につくのか不安に思う方もいるかもしれません。
本記事では、市場価値が高い管理会計のキャリアパスを3つ紹介します。
さらに、市場価値を高めるために取るべき行動についても解説しますので参考にしてください。
本記事の筆者は、経理歴10年超。転職を3回経験しています。新人のころエクセルで管理会計の仕事をしていたのでお悩みがよく分かります。

結論、管理会計の市場価値はピンキリ。意思決定に近い仕事は市場価値が高いです。
記事のポイント
- 制度会計、USCPA、外資転職がキャリアパス
- 市場価値が高い人材は「管理+制度」スキル
- 若手が成長できない場合、会社に原因あり
管理会計のキャリア相談
\管理会計の転職に強い/

管理会計とは?

管理会計は制度会計と対をなす概念です。
制度会計が会社全体の実績を把握する手段だとして、管理会計は部門別の実績を把握する手段として用いられます。
目的としては、ヒト・モノ・カネの経営資源をどの事業に投資するかの意思決定に使われます。
管理会計の4つの仕事
管理会計の仕事は主に次の4分野に分けられます。
- 予算作成
- 予算実績分析
- 損益分析
- 事業部門損益管理
新人が任される管理会計の仕事といえば、自社仕様のエクセルファイルにポチポチ数字を打ち込む仕事があります。
この仕事は、予算作成、予算実績管理の資料作成の仕事になります。経験がある方もいるのではないでしょうか?
そして、少し経験を積むと事業損益管理をやります。ビジネスモデルの理解が必要になり、中堅の管理会計の仕事になります。
経営企画との違い
『経営企画』は会社の一つの部署名を示しており、『管理会計』は仕事の領域を示す言葉です。
両者の関連性は高く、経営企画部の仕事の一部に管理会計がある。と理解しておけばOKです。
管理会計3つのキャリアパス

では、管理会計をベースに市場価値を上げるためにはどんなキャリアプランが考えられるでしょうか?3つのパターンを紹介します。
①制度会計への転向
制度会計への転向は最もポピュラーな選択肢です。もし自社内で部署異動が可能であれば希望を出すとよいと思います。
しかし、制度会計は人気が高くメンバーも固定されている会社がほとんど。未経験者が入り込む余地がなかなかありません。
そこで有効なのが転職という選択肢です。管理会計→制度会計へのキャリアチェンジは一般的ですし、中途採用であれば職種も明確なので確実に制度会計を経験してキャリアを積めます。
②USCPAを学び生かす
USCPAは管理会計と相性が抜群です。USCPAは主に4つの科目で構成されています。
- 財務会計
- 企業経営環境・経営概念
- 諸法規
- 監査及び諸手続き
2つ目の科目『企業経営環境・経営概念』について学べば、ただのエクセル職人だと思っていた仕事の本質について学べます。
日経企業には管理会計の見本となる人材は少ないですが、視座高く学べば管理会計を生かす方法は見つかります。

①IT×②会計×③英語、ビジネスマン三種の神器です!
③外資系企業
日経企業では制度会計がキャリアとして人気で、管理会計はニッチなキャリアという扱いが一般的です。
しかし、外資企業では考え方が全く逆になります。管理会計がキャリアとして人気です。
管理会計を極める方向性なら、外資系企業への転職を1つの目標にするとよいでしょう。もともと管理会計はアメリカ的な考え方をベースにした仕事です。
外資系企業に行けば、管理会計として年収アップするポジションがあります。
成長は環境に大きく左右されます。
外資企業に行けば日経企業の数倍の速さで成長できるので、早めに転職を決めると同年代よりもリードできますよ。
市場価値が高い管理会計人材とは?

経営企画部に所属、管理会計人材でニーズが高い分野は以下の通り。
ポイント
- 上場企業
- 新興上場企業
- IPO
- 外資
- 金融
- 中小・中堅企業
管理会計は全ての会社に必要不可欠な業務のため、ニーズは幅広くあります。
実際に、管理部門専門の転職エージェントMS-Japanで「管理会計」分野の求人を見てみると、管理会計のみでの求人は少ない傾向。

実際に多いのは、こんな求人パターンでした。
管理会計の求人例
- 決算+管理会計をできる人
- 決算経験あり、将来的に管理会計を任せたい
管理会計のみで人材を求めている企業は少なく、制度会計のスキルも持ち合わせていることが市場のニーズといえる結果です。
つまり、市場に求められる人材になるには、制度会計での経験をしておきたいところ。

こちらから管理会計の求人情報を見られるので、参考にしてください。
管理会計の若手が抱える悩み

管理会計をやってもたいしてスキルが身につかないのでは?と感じている人も多いと思います。
新人が任される管理会計の仕事は地味なもので辛いと感じることが少なくありません。
転記作業が多すぎる
管理会計業務の多くは自社仕様のエクセルフォーマットで作成されます。
報告用に見た目を重要視し、初心者にわかりにくい難解なエクセルができあがります。
作業の多くが他レポートからの数字の転記であり、『これってロボットにやらせればよくね?』なんて気持ちになります。やりがいを感じられません。
エクセル職人になりがち
難解なエクセルで数字が合わない場合、関数が壊れていたりしてその修正で日が暮れたりします。
エクセル職人としてのスキルが上がったところで、他に生かす場面はないためやるせない気持ちになります。

IT音痴な上司を持つと、無駄な仕事ばかりやらされつらいですよね。
制度会計がうらやましい
管理会計のエクセルと向き合っていると、他の会社でも通用する『制度会計』の実務経験がうらやましく思えます。
比較対象が存在するだけに、自分の仕事って意味あるの?と思いがちです。
若手が成長できない原因は会社にある


最初にもいいましたが、管理会計は経営の意思決定に関与して初めて価値を生む仕事。
もし、あなたの数年後の姿として意思決定をしている姿がイメージできないなら、今の環境は黄色信号かもしれません。
実は僕が新卒で働いていた会社もそんな環境でした。
- 会議の議事録をきれいに作成して満足している
- 各部門の月報をエクセルできれいに集計して満足している
- ずっと経営企画部門にいて外の世界を知らない
実際に、こんな先輩社員がいました。

正直、他の会社じゃ通用しない仕事だと思いました。

何より恐ろしいのが、40歳にもなってその仕事のヤバさを認識できていない点。そこがスキルの天井でそれ以上は成長が見込めないように見えました。
「成長しよう」という問題意識がなくなってしまうと、会社に隷属せざるを得なくなり危険です。
意思決定の仕事こと管理会計の醍醐味
「社長の右腕として、各部門の業績を把握し補佐する」姿をイメージしてください。
どうでしょうか?会社の中でも存在感があり、かっこいい姿をイメージできませんか?

管理会計をやる人は、みな社長の右腕を目指すべきです。目標は高く持ちましょう。
僕が復数の会社を見てた結論ですが、管理会計を使いこなし活躍する人材はみな転職経験者でした。
僕なりに考察すると、復数の会社でさまざまなビジネスモデルに触れることで、経営のセンスも磨かれると思います。
転職経験者の多くは、自信に満ちた姿で仕事をしていました。
市場価値を高めたいなら転職の検討は必要

管理会計の分野で市場価値を高めたいなら、一つの会社だけでは限界があります。
まれに管理会計が機能している会社も存在しますが、多くの企業は僕が在籍していた会社のような感じだと思います。
正直、無理もありません。
日本では長く終身雇用が続き、社員の能力開発を怠りぬるま湯で仕事をさせてきたのですから。
今の環境を続けるか、外の世界に飛び出すかはそれぞれの自由です。
しかし、AIの台頭といった外部環境を考えると、スキル開発を積極的に行なったほうが人生に後悔は無い気がします。
若いうちなら管理会計スキルのみでも転職できる
市場価値を高めたいけど、転職で通用するか自信がない。
いまの自分のスキルを悲観的に思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、20代のうちであれば「管理会計」スキルのみで転職活動をして問題ありません。

理由は以下の通りです。
ポイント
- 20代は仕事への姿勢を評価される
- 仕事の幅を広げるは前向きな転職理由だから
- 管理会計は希少性の高いスキル
「管理会計」の仕事をメインにやっているけど、今の会社では「制度会計」のキャリアを積めそうにない。
これは立派な志望動機になります。
自分のキャリアを中長期的に考えており、市場のニーズも理解した上での考え方なので、他の人に与える印象は良いです。
しっかりした志望理由があれば、若手であるほど採用される可能性は高いのでチャレンジする価値ありです。

コロナ以降、経営管理部門の求人は増加傾向で今はチャンスです。
経営管理部門の転職動向は、以下のサイト(MS-Japan)がわかりやすいのでおすすめ。
市場価値UPのために仕事の幅を広げよう

管理会計の経験を生かして、市場価値をUPさせたい人は成長できる環境への転職がおすすめです。
今の環境で成長が実感できない場合、会社の若手を育てる意識が薄いのが問題です。
多くの日本企業では、以下の理由によって若手に成長環境を提供することができていません。
若手が成長できない企業
- 年功序列
- 企業が成長していない
- 上のポジションが詰まっている
こうした環境に居た場合、3年〜5年たっても年齢だけ増えて、経験値がまったく増えない危険性があります。
手遅れになる前に、成長できる環境に転職するチャレンジしましょう。
管理会計の転職ならMS-Japanがおすすめ
管理会計の転職なら、MS-Japanがおすすめです。

記事の途中でもお伝えした通り、管理会計の求人が豊富です。
管理人も実際に利用経験があり、倍率20倍の人気企業に転職を成功させることができました。
管理人の体験談はこちらの記事で紹介しています。
>>経理の転職におすすめの転職エージェントMS-Japanとは?
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経理の転職ならMS−Japanがおすすめの理由。【倍率20倍の転職を成功させた体験談】
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MS-Japanは管理会計からのキャリア事例も豊富なので、うまく利用しましょう。